絵心は必要なし!色で表現する、あなたの心を癒やすアートセラピー
仕事のストレスが多く、なかなかリフレッシュできる時間がないと感じていませんか。絵に興味はあるけれど、「絵心がないから無理」と諦めてしまう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、絵を描くことは、上手に描くことだけが目的ではありません。心が感じていることを自由に表現することで、ストレスが和らぎ、心が満たされることがあります。
今回は、絵が全く初めての方でも安心して始められる「色」を使ったアートセラピーをご紹介します。特別な道具も技術も必要ありません。あなたの心の状態を色で表現し、心と向き合う時間を設けてみませんか。
なぜ「色」を使ったアートセラピーが心に効くのか
私たちは日常生活の中で、知らず知らずのうちに多くの感情を抱えています。喜び、悲しみ、怒り、不安、そして言葉にならないモヤモヤ。これらの感情は、言葉で表現するのが難しいことも少なくありません。
アートセラピーでは、そうした言葉にできない感情を「形」や「色」で表現することを促します。特に色は、感情と深く結びついています。例えば、鮮やかな赤は情熱や怒りを、穏やかな青は落ち着きや悲しみを、といったように、色には私たちの感情を象徴する力があります。
絵を描くという行為そのものが、無心になれる時間をもたらし、日々の喧騒から一時的に離れることを可能にします。そして、色を使い感情を表現するプロセスは、自分自身の内面と向き合い、感情を客観的に捉え、解放する手助けとなります。上手に描くことではなく、自由に色を選び、手を動かすことに意識を向けることで、心が自然とリラックスし、ストレスが軽減されていくのです。
絵心ゼロでも大丈夫!超初心者向け「感情の色表現」ステップ
「絵が苦手だから」「何を描けばいいか分からない」という方もご安心ください。これからご紹介するステップは、まさにそのためのものです。
ステップ1:準備するもの
特別な画材は必要ありません。今すぐ手に入るもので大丈夫です。
- 紙: 不要な裏紙やチラシの裏、コピー用紙、スケッチブックなど、なんでも構いません。
- 色を塗る道具: 色鉛筆、クレヨン、マーカー、水彩絵の具など、ご自身が扱いやすいもので大丈夫です。複数の色があると、表現の幅が広がります。
ステップ2:感情と静かに向き合う時間
まずは深呼吸をして、今の自分の心に意識を向けてみましょう。
- 今日の気分はどのような感じでしょうか?
- 何か心に引っかかっていることはありませんか?
- 漠然とした不安や、嬉しい気持ち、疲れなど、どんな感情でも構いません。
- 言葉にならなくても、ぼんやりと感じるものでも大丈夫です。
具体的な感情を特定する必要はありません。ただ、その感情がどんな色で表現されるだろうかと、漠然と考えてみるだけでも構いません。
ステップ3:色を選び、自由に描く
感情と向き合った後、その感情に「この色かな?」と感じる色を直感で選びます。
- 選んだ色で、自由に紙に線や点、丸、四角などを描いてみましょう。
- 筆圧を強くしたり、弱くしたり。速く動かしたり、ゆっくり動かしたり。
- 「こうでなければならない」というルールは一切ありません。
- 紙のどこから描き始めても、どんな風に描いても自由です。
- もし複数の感情が同時にある場合は、複数の色を混ぜ合わせたり、別の場所に描いたりしても良いでしょう。
大切なのは、頭で考えず、手が自然に動くままに任せることです。「上手に描こう」「何か意味のある絵にしよう」といった気持ちは一旦手放し、ただ色と紙に向き合う時間を楽しんでください。
ステップ4:描いた絵を見て感じる
描き終わったら、少し離れてご自身の描いた絵を眺めてみましょう。
- 絵からどんな印象を受けますか?
- 描く前と後で、心の状態に変化はありましたか?
- 絵の中に、今のあなたの心が表れているように感じられますか?
無理に分析しようとせず、ただ感じたことを受け止めるだけで十分です。この「描いて、見て感じる」というプロセス自体が、自分自身への気づきを深め、心を整えることにつながります。
描くことで得られる心の変化:体験談
Aさん(30代、会社員)は、日々の仕事のプレッシャーからくるストレスに悩んでいました。絵は学生時代から苦手で、「絵心がない」と諦めていたそうです。しかし、この「色を使った感情表現」を試してみたところ、以下のような変化を感じたと言います。
「最初は戸惑いましたが、『好きに描いていい』という言葉に背中を押され、その日感じていたモヤモヤした気持ちを漠然とグレーや黒っぽい色で描いてみました。描き進めるうちに、無心になれる時間が心地よく、気づけばクレヨンでぐるぐると力強く線を引いていました。描き終えて絵を眺めると、心が少し軽くなったように感じられました。言葉にできなかった気持ちが、色と線の塊として目の前にあることで、客観的に受け止めることができたのです。数回続けるうちに、これまで気づかなかった自分の感情に気づけるようにもなり、少しずつ心が落ち着いていくのを感じています。」
Aさんのように、絵を通して心を解放し、自己理解を深めることは、誰にでもできる心のケアです。
まとめ
「絵心がないから」という理由で、心の表現を諦める必要はありません。色を使ったアートセラピーは、あなたの内側にある感情を優しく引き出し、解放する手助けとなります。
上手に描くことではなく、自分自身の心と向き合い、手軽にストレスを解消できるこの方法を、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。絵を描く時間は、あなただけの静かで豊かな瞑想の時間となるでしょう。今日から、身近な色と紙で、あなたの心を表現する旅を始めてみませんか。