ストレスを吐き出す!絵が苦手でもできる、癒やしの「らくがきアートセラピー」
日々、仕事や人間関係でストレスを感じ、「何か新しいことを始めたいけれど、なかなか一歩が踏み出せない」と感じていませんか。特に、「絵を描くこと」に興味はあっても、「絵心がないから無理だろう」と諦めてしまう方も少なくありません。
しかし、絵を描くことは、何も「上手い・下手」で評価されるものではありません。むしろ、心の中にあるモヤモヤとした感情を自由に表現し、心を整えるための素晴らしいツールとなり得ます。今回は、絵が苦手だと感じている方でも安心して始められる「らくがきアートセラピー」について、その魅力と具体的な始め方をご紹介します。
らくがきアートセラピーとは?
らくがきアートセラピーは、絵の技術や完成度を一切問わず、自由に線を引いたり、形を描いたりするプロセスを通じて、心の状態を探り、ストレスを軽減する手法です。特別な画材や専門知識は必要なく、身近な紙とペンがあれば、いつでもどこでも始めることができます。
このセラピーの最大の目的は、描くことによって「自分の感情に気づき、それを外に出すこと」です。私たちは日々の生活の中で、意識的にも無意識的にも様々な感情を抱え込みがちです。それが積もり積もると、ストレスや心身の不調として現れることがあります。らくがきは、言葉では表現しにくい感情を視覚化し、心のデトックスを促す効果が期待できます。
なぜらくがきが心に良い影響を与えるのか
らくがきがもたらす心理的な効果は多岐にわたります。
- ストレス軽減: 集中して描くことで、日頃の悩みや雑念から一時的に離れることができます。描く行為自体が瞑想に似た効果をもたらし、リラックスへと導きます。
- 感情の整理と解放: 言葉にならない感情を線や形、色に託して表現することで、カタルシス効果が生まれ、心の重荷が軽くなることがあります。
- 自己認識の向上: 描き終えた絵と向き合うことで、その時の自分の感情や思考パターンに気づき、新たな自己理解へと繋がることがあります。
- 創造性の刺激: 自由に描くプロセスは、固定観念にとらわれない思考を促し、日常の課題解決にも役立つ創造性を刺激します。
超初心者向け!手軽に始める「らくがきアートセラピー」のステップ
「絵が苦手」という方も、以下の簡単なステップから始めてみましょう。大切なのは「うまく描くこと」ではなく、「自由に描くこと」です。
1. 準備を整える:身近なものでOK
特別な準備は必要ありません。
- 紙: コピー用紙やノート、裏紙など、どんな紙でも構いません。
- ペン: ボールペン、鉛筆、サインペンなど、書きやすいものであれば何でも良いでしょう。色鉛筆やクレヨンがあれば、さらに表現の幅が広がりますが、必須ではありません。
- 場所: 静かで落ち着ける場所が理想的ですが、ちょっとした空き時間や休憩時間でも大丈夫です。
2. 呼吸を整え、心を静める
描き始める前に、数分間、深く呼吸をすることをおすすめします。椅子に座り、目を閉じるか、ぼんやりと一点を見つめ、ゆっくりと息を吸い、ゆっくりと吐き出すことに意識を集中します。これにより、心が落ち着き、描く準備が整います。
3. 自由に線を描く
頭に浮かんだことや、心に感じることを、そのまま紙の上に表現してみましょう。
- 「こうでなければならない」というルールは一切ありません。
- 点、短い線、長い線、曲線、直線、ギザギザの線、渦巻きなど、どんな線でも構いません。
- 思いつくままに、手を動かしてみましょう。
- 心の中にある「モヤモヤ」や「スッキリ」といった感覚を、線の強さ、速さ、方向などに変えて表現してみてください。
- 「今、疲れているな」と感じるなら、だらだらと力のない線を。怒りを感じるなら、力強く乱暴な線を引いてみるのも良いでしょう。
4. 形を重ねて、深めてみる
線を描くことに慣れてきたら、そこに形を重ねていくのも良い方法です。
- 例えば、紙全体に不規則な線を描いた後、その線と線が交わってできた空間を塗りつぶしてみる。
- 〇、△、□といった基本的な図形を自由に組み合わせてみる。
- 同じ模様を繰り返し描いて、パターンを作り出す(ゼンタングル®のようなイメージです)。この反復作業は、心を落ち着かせ、集中力を高める効果があります。
5. 描いた絵と向き合う
描き終えたら、完成した絵を眺めてみましょう。
- 評価する必要はありません。「変な絵だな」と感じても、それはそれで良いのです。
- 「この線は、あの時の感情かな?」「この形は、何を意味しているのだろう?」と、自分の心に問いかけてみてください。
- もし、何かに気づきがあれば、絵の余白に一言、言葉を書き添えるのも良いでしょう。
- その日の感情が込められた、あなただけの「心の記録」として大切にしてください。
描くことで生まれる心の変化
らくがきアートセラピーを実践することで、あなたはきっと自分自身の心の変化に気づくはずです。最初は戸惑うかもしれませんが、続けていくうちに、描く行為そのものが、心を整理し、落ち着きを取り戻すための大切な時間になるでしょう。
絵心がないと決めつけず、まずは「紙とペン」という身近な道具で、今日から自由に心を解き放つらくがきアートセラピーを始めてみませんか。それは、あなたの心を癒やし、新たな自己表現の扉を開く第一歩となるはずです。